不妊症で悩んでいます!

質問

 38歳の主婦です。結婚して12年になります。不妊症で悩んでいます。主人の精子の数や運動率などもぎりぎり正常値です。私のほうはあまり妊娠には問題の無いところに子宮筋腫があります。体温表は排卵の後の体温の上昇が遅いように思います。人工授精を7回、体外受精を3回やりましたがうまくいきません。漢方でよい方法はありますか?(玉村 U子)

答え

赤ちゃん 現在、夫婦十組に一組は不妊症で悩んでいると言われます。男子の精子数は二十年前の3分の2と言われ運動率の低下も著しいとの報告もあります。女性の子宮内膜症・子宮筋腫・無排卵月経なども急激に増えています。一方で特に現代医学の最前線の体外受精は、科学的に女性のホルモンバランスをコントロールして、採卵・移植といった高度な技術を使います。ところが、うまくいかなかったときの精神的ダメージは、男性には計り知れないものがあるだろうと思います。そればかりか、高額な費用がかかり、女性の体に負担をかけることが多く、多種のホルモン剤による複合した副作用の心配もあります。

 中国漢方では、力ずくで排卵させるなどという方法ではなく、体のゆがみを治すことによって体質改善をはかって、自分の力で自然に妊娠しやすいように整えていくことが大切と考えています。自然のホルモンバランスに寄り添うように、卵胞期には「養血(ようけつ)」といって当帰や地黄を含む処方を服用し、黄体期には「補腎陽(ほじんよう)」といって鹿茸や人参を含む処方を服用する「周期療法」というやり方が注目されています。特に体温上昇が遅いケースの場合、この「補腎陽」が欠かせません。

 高齢出産といわれても、漢方によるからだの若返りケアを行えば良いのです。基礎体力を高め、卵巣の力がつき、ホルモンバランスが整い、子宮内膜の状態を若返らせれば、若い人と変わりなく妊娠・出産・育児が可能と考えています。「補腎陽」の処方を多く使います。黒ゴマやくるみ、鶏のもつ煮・手羽先のスープなどを積極的に摂りましょう。また、最近はおへそや腰が出てしまうようなファッションが流行っていますが、骨盤におさまっている妊娠に関係のある大切な器官を冷やすもとだと考えられます。骨盤内の血行を良くして機能を高める様なヨガや気功のような運動を心がけて、冷たいものの飲食を控えます。

 血液をサラサラにしておくのも、妊娠しやすいからだ作りの基本です。もともと生理痛がある、経血に塊りがまざる、経血の色が黒っぽく粘りがある、生理中に頭痛や肩こりなどがある場合は、血の流れがドロドロしていて妊娠の邪魔をしていると考えます。「活血」という方法で血液をサラサラにします。日本では「桂枝茯苓丸」が有名ですが、より効果が期待できる「芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)」などがお勧めできます。もちろん、背中の青い魚や臭いの強い野菜を摂るのも忘れてはいけません。さらに、習慣性流産の患者さんの場合、舌の引き締まり方が足りない場合が見られます。「気虚」といって受精卵や胎児を子宮の中に保つちからが足りない体質と考えられます。衛益顆粒(えいえきかりゅう)がお勧めです。

 しかし、なんといっても、一番大事なのが、ストレスから身を守ることです。毎日のように婦人科で検査を繰り返して気持ちが疲れたり、今度こそと期待をかけていたのにうまくいかないとがっかりします。自分の人生の一部なのに全部のように錯覚してしまいがちです。自然の緑の中でゆったりと散歩したり、温泉につかったり。穏やかな音楽や美術を楽しんだり、ちょっとしたパートナーとのやさしい会話を楽しむ余裕が欲しいものです。

 いずれにしましても、漢方薬は妊娠前・中・後と、女性のからだとこころを応援する強い味方です。おおいに利用してください。