夏に弱くて困っています!

質問

 毎年、夏に弱くて困っています。やっと夏が越せたかと思うと、こんどは夏の疲れが出て、だるくて・朝が起きられなくて・食欲が無くて・眠りが浅くて・便が軟らかかったり硬かったり毎日は出なくなります。下半身はむくんでいるのに、目の下にクマができます。なにか良い漢方はありますか?(大胡町 Y江)

答え

クーラー病のパンダ 地球規模で温暖化が叫ばれています。都会では、一晩中クーラーをつけなければ寝られない状態が続いています。つい冷たい飲み物に手が出ます。夏ばてのひどい場合は立ちくらみまでする人もいます。夏ばての原因は暑さですが、日本の場合、特に湿度の高いことが特徴です。私は中国の西安で漢方の勉強をさせてもらいましたが、40度になっても日陰に入ると湿度が低いために爽やかで、夏のエネルギーが体に入ってくる感じがしました。日本ではじっとりと汗が体にまとわりついて、重だるい感じです。可能であれば、林の木陰で休むのが一番です。

 二番目に問題なのは、クーラーによる冷やしすぎです。省エネという意味では28度と言われています。ところが、自律神経の安定から考えれば外気温と5度以上の差があり、繰り返し出入りがあるとその自律神経の混乱が生じるといわれています。外気温より2度程度低くして、扇風機で風を回してあげるのが、健康にも省エネにもつながると思います。夏は暑いものです。汗をかくのが自然なのです。

 三番目に問題なのが、冷たい飲み物のとり過ぎです。ヒトは46万年前に火を使うようになって、食べ物に火を通して食べ、お湯を飲む習慣が出来ました。40年前に冷蔵庫やクーラーが普及して、冷たいものを口にするようになりました。しかし、人間のからだはそう簡単に冷たいものを受け入れられません。当然、消化吸収が低下して、口から入る糖分などは栄養過多でも体内に吸収できずに栄養不足になってしまいます。氷の浮いているような飲み物は、いくら飲んでも口の渇きが取れません。暖かい飲み物をお勧めします。

 四番目に問題なのが、不規則な生活です。食事の時間はなるべく一定にしましょう。胃腸が安定して働いてくれるためには、決まった時間に食べ物をとる必要があります。食欲があまり無くても少量をとるほうが回復しやすいようです。睡眠については、夏ばて解消の切り札ともいえるくらい大事です。とにかく早く寝るようにしましょう。12時過ぎに寝るなどというのはもってのほかです。10時を過ぎたら寝る準備で、10時半には眠りにつけるようにしましょう。

 五番目に問題なのが、汗をかかない生活です。住んでいる場所が夏の「気」に包まれているのに、クーラーで人工的な涼しい空間を作っても、からだの中の時計は夏です。その大きなギャップと、人間だって動物なのに少しの時間も歩かない運動不足で、体全体の循環から代謝まで、おどろくほど低下しています。早寝をした分、涼しい朝に散歩をして汗をかくように心がけましょう。

 漢方で、第一選択は「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」ですが、せんじ薬しか保険適応にはなりません。保険適応のエキス剤だと「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」に「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」を半量加える方法があります。いずれにしましても、薬さえ飲めば治るという考えはやめましょう。生活を変えなければ薬も本当の効果を発揮できません。そういう意味では、夏ばては生活習慣病といって良いでしょう。