中学2年の息子がひきこもりに!

質問

 中学2年の息子について相談します。昨年の5月から学校へ行かなくなり、部屋にこもるようになりました。初めは、家族とも話していましたが、最近は機嫌のいいときでないと出てきて話をすることもなくなりました。本人はオドオドしたりイライラしたりしています。お医者さんにも行かないので、困っています。なにか効果のありそうな漢方薬はありますか?(鬼石 M江)

答え

夜中も起きているパンダ いわゆる「ひきこもり」という状態で、たぶん「昼夜逆転」といって家族が寝静まるのを待って(家族と顔を合わせて話をするのを避けて)台所で食べ物を探して、家族が起きる頃に、寝るのでしょう。まず、息子さんがこれまでかかってきた小児科のお医者さんに、お母さんだけが行って状況を話して対応を考えてもらってください。その先生が受けてくれるかしかるべき先生を紹介してくれます。もしうまくつながらなければ、「県・こころの健康センター」に問い合わせても良いかと思われます。

 さて、漢方の方ではこれまでの経験から、効果がみられたケースが数多くありますので、ひとつの選択肢として考えられるのは充分に意味のあることだと思います。中国漢方では、病気の原因を、外因と内因にわけて考えます。外因は、気象の変化。内因は働きすぎや飲食の不摂生と情緒の不安定としています。情緒の不安定を「七情内傷」といい、怒りは肝を傷つけ、喜びは心、思いは脾、悲しみと憂いは肺、恐れと驚きは腎を傷つけるというように、こころと体は裏と表と考えています。

 精神的なストレスのコントロールがうまくいかない場合、もっとも影響を受けやすい臓腑は中国医学で考える肝とされています。緊張状態が長く続くと、気の流れが邪魔されて「肝熱」「肝火」といった熱症状に変化しやすいとされています。火の炎が上に昇るようにこの場合の熱感も上に昇ります。怒りっぽい・イライラしやすいなどのほかに、顔が赤くのぼせる・目の充血・血圧の上昇・こめかみの脈を打つような頭痛・頭が膨張するようなめまい・特に左側の肩こりなどの症状がみられます。病院では、更年期障害・自律神経失調症・高血圧症・口内炎などの診断を受けていることが多いです。

 漢方では、こういった場合に、肝の気の流れを良くする「疎肝薬」として柴胡と言う薬草を使います。日本の漢方で、柴朴湯・柴苓湯・柴胡桂枝湯などがこれに属します。しかし、これらは、のどから胸・わき腹の塞がる感じを緩和したり、むくみをとったり、冷えのぼせを解消したりするのを目標にしています。

 「釣藤散」は、慢性化した気のめぐりの滞りを改善してくれて、同時に顔や頭の熱傾向を解消してくれます。舌の色は赤みが強く、引き締まり方の弱いこともあります。舌の苔は白くやや厚い場合に用いられます。中国では「天麻釣藤飲」を使いますが、残念ながら日本には輸入されていないようです。「竜胆瀉肝湯」は、熱傾向が水のよどみと合わさって、もやもやした内側にこもっただるさとイライラの他、下腹部の熱症状にも使われます。舌の色は紅で苔は黄色く厚いです。排尿痛・陰部の湿った痒み・臭いの強いオリモノに使われます。

 いずれにしても、生活にメリハリをつけて、リラックスする時間とストレスと向かい合う時間をうまく工夫して生活するのが予防法であり治療法であると思います。