出産後の調子が悪いのですが?

質問

 数年の不妊治療の結果、妊娠できて、無事出産までたどり着けました。ところが、出産後、お乳の出が悪いばかりか、疲れやすく、めまい・動悸、汗が止まらない、風邪を引きやすく治りにくい、悪露が止まらないなどで困っています。これからもお乳をあげたいので心配の無い漢方薬はありますか?(宮城 M子)

答え

調子が悪いパンダ 中国の友人が、日本の病院で出産した知り合いの日本人女性の見舞いに病院を訪れて、おどろきました。昼食にカレーが出ていたのです。中国では出産後は味の淡白なものを食べさせるのだそうです。産後一ヶ月は「坐月子(ざげっし)」と呼び、外の風に当たらないために、家から1歩も外に出でません。もちろん、アイスクリームや生野菜など食べないほか、冷たい水にも触れません。(もともと、食事は男性が作ることが多いですが)オムツ洗いも男性の仕事です。女性は、当帰(とうき)という薬草の入った鶏のスープを飲んで、お乳をあげるだけで、とにかく休んでいます。産後の養生の仕方で、母体の回復ばかりか、その後の健康を左右するわけです。辛いものを食べると「気」が昇ってイライラしやすくなると教えてくれました。

 ご質問の症状は、妊娠中に胎児を育てるために体力を極限まで使い切った状態(漢方で言う「気血両虚」の状態)になっています。日本で、乳汁不足にダンゴや鯉を食べさせるのはそのせいで、中国ではブタの足を食べさせます。この時期に病気になると、抵抗力が落ちているので、体の奥に病気が忍び込み、徐々に体力が回復しても奥に居座って慢性化しやすいと考えられています。特に、冷えや湿気による関節痛や腰痛には注意が必要です。

 日本にある処方だと「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」や「四物湯(しもつとう)」が勧められます。中国で使われる処方は「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」という名前で輸入されています。とにかく、一に養生、二に薬です。養生にまさる薬はありません。不養生して効く薬はありません。