突然恐怖感に襲われる様になって困っています!

質問

 3年ほど前から、何の前触れもなく突然恐怖感に襲われる様になって困っています。思い返すと、その前に、引越しや親の葬式などあわただしいことが多かったように思います。初めはスーパーのレジに並んでいた時に、いてもたってもいられない不安な気持ちになって、家に走って帰ってきました。その後は、家にいるときでも主人が出張の前になると、動悸がして救急車のお世話になったこともあります。.病院に着くとお医者さんの顔を見る前に治ってしまいます。本を読んでみると「不安神経症」ではないかと思います。あちこちの医療機関を訪ねました。そして、何度か精神安定剤を出されて飲んでみましたが、眠くなるばかりでよくなる気配がないので、やめてしまっています。なにか良い漢方のお薬はありませんか?(熊谷 54才N子)

答え

不安症の女性 お手紙を拝見しますと、これからの人生に不安は持っていても、憂うつな感情はないようですね。また、食事の用意や洗濯など家族の手を借りながらもなんとかなされているご様子です。これまで、ご縁が無かったようですが、必ず、お話を聞いてくださり、よく説明をしていただける先生はいらっしゃいますから、「県こころの健康センター」などに相談して下さい。同じような悩みを抱えている患者さんが、しばしば漢方の分野にも相談においでになります。しかし、漢方だけで「治る」のでなく、そうなってしまった(漢方から見た)体質のゆがみを調える事は、治癒を手伝うだけと考えています。「治す」のは「治したい」という患者さんの決心と、心の任せられる専門のお医者さんと専門のカウンセラーと家族の支えだろうと思います。

 漢方では、舌の先だけが赤く、いらいらや不安・緊張、ある程度の肩こり・不眠に「加味逍遥散(かみしょうようさん)」を勧めます。舌の苔が剥がれてしまっていて、肩こりが強い場合、「抑肝散(よくかんさん)」を勧めます。舌の苔が白く厚く頭痛やめまいが強い場合は「釣藤散(ちょうとうさん)」を勧めます。「柴朴湯(さいぼくとう)」という処方も不安感や喉の塞がる不快感に効果があるといわれる処方ですが、舌の苔が厚い場合に使う処方なので、薄い場合や剥がれている場合に漫然と続けるべきでないと、中国の教育機関では教えています。不眠を感じなくても、眠りが浅かったり、夢が多かったり、明け方に目が醒めてしまう人もいます。舌の色が濃い赤の場合「血虚内熱」として「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」を、舌の色が淡く引き締まり方の弱い場合「心脾両虚」として「帰脾湯(きひとう)」を勧めます。「清心蓮子飲(せいしんれんしいん)」という処方がありますが、日本では「頻尿」を治す薬として扱われています。中国の原典を見ますと「虚火上炎・心腎不交」といって、精神疲労が極まると焦燥感や不眠・口渇に併せて、熱を伴ったオリモノの他、熱を伴った頻尿・排尿痛もある場合がある、とされています。日本に一部の事しか伝えられなかった例と考えられます。

 最後になりますが、医師からうつ傾向が伴わない不安神経症と診断をえたら、「生活の発見会」などの自助グループなどもありますから、医師と相談の上、参加する方法もあるかと思います。ホームページも開いています。