10年前に、潰瘍性大腸炎と診断を受けました!

質問

 10年前に、潰瘍性大腸炎と診断を受けました。一日に10回以上腹痛を伴った下痢状の排便があり、その半分は血が混じり粘液が混ざっています。からだ全体が重だるく頭もスッキリしません。病院ではホルモン剤を処方してくれますが一進一退です。毎年夏になると1~2ヶ月必ず入院します.漢方ではなにか方法はありませんか?(前橋 男性34才)

答え

腹痛のパンダ 中国医学でいう「痢疾」の症候に属すると思われます。症状や経過は非常に多様性に富むとされています。「身土不二」という養生の言葉を聞いたことがあると思います。生活している四里四方でその時期に採れる者を食べなさいという言葉です。これに反して、私たちの食卓には風土の違う地方の、季節はずれの珍しい食材が並んでいます。

 テレビでは、補給すべき海外のサプリメントについての番組が話題を呼んでいます。この高温多湿の島国の中で暮らしている人には、味噌や納豆といった醗酵食が適しています。遊牧民の醗酵食は口の楽しみとして食べるべきものです。動物の脂や慣れない食べ物を摂り過ぎると、胃腸の排泄機能が間に合わなくなって「湿」という水のよどみが生れます。大腸はこれを出そうとして症状を起こします。このような形で発生する場合を「湿熱下注(しつねつかちゅう)」と言います。「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」と「四苓散(しれいさん)」や「啓脾湯(けいひとう)」を合わせます。

 漢方では、何事にも過ぎることを戒めます。文明が進むと頭で考えることが多くなり経験が少なくなります。「思い過ぎ」たり「怒り過ぎ」たりすると、「肝脾不和(かんぴふわ)」となって、下痢になります。「柴胡疎肝散(さいこそかんさん)」が日本にないので「開気丸(かいきがん)」を薦めます。

 病気が長引くと「腎(じん)」に影響が出ます。手足が冷えて時にはむくみ、少しの冷えも身体にこたえます。「黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)」に「真武湯(しんぶとう)」を合わせます。出血や痛みに対しては、「田七(でんしち)」を合わせます。治すことが人生になってしまうと辛いものです。症状が治ったらやってみたいことに、少しずつチャレンジして自信をつけていくのも人生のような気がします。