漢方薬について教えて下さい!

質問

 漢方薬は自然な薬草からできているので、副作用はないと聞きましたが本当でしょうか?また、自分に合った漢方薬はずっと続けた方が良いと聞きましたがどうでしょうか?

答え

漢方薬を買いに来るパンダ親子 漢方薬はおっしゃるとおり、自然の薬草の他鉱物や動物などからできています。鉱物では、紫水晶などが知られています。動物では、牡蠣の貝殻や古代動物の化石等が知られています。長く煎じると精神安定の働きがあって、昔の人は「カルシウムが精神安定に良い」と教えられなくても経験から身体を守る方法を身に付けていたんだと感心します。文字通り「漢方医薬学は人類の宝庫」と思います。ところが、人間は自然によって生み出されたとは言え、自然は人間の都合の良いようにはできていません。

 例えば、「トリカブト」という毒草があります。まちがってこの葉っぱを食べて亡くなった方は多く報告されています。自然だから安心という事は言えないと思います。この「トリカブト」の根を弓矢のやじりにつけてヒグマを狩猟していたのが、日本の先住民族のアイヌ民族です。さらに、古代の人はこの根を加工して強心作用や鎮痛作用を利用できるように工夫していました。現代人の貧しい生活力からは想像できないたくましい智恵を感じます。この根は「附子」と言って「八味地黄丸」などの処方の中に入って効果をあげています。ところが、この「附子」は無条件に身体の痛みを取るのではありません。身体に冷えを伴う人に使うものです。これを知らないで、「腰痛」に良いと書いてあるからと言って熱を伴って腰の痛みで困っている人が「八味地黄丸」を飲むと反って症状が悪化する可能性があります。

 でも、これは漢方の方では「副作用」と呼びません。「誤治」と言います。薬が悪いのではありません。患者さんに合わない薬を用いてしまった結果です。たとえば、包丁で美味しい料理を作るのは良い事です。包丁を持って銀行に行ったら、使い方の間違いです。包丁は悪くありません。そう言う考え方です.薬の選び方が大切です。

 薬をずっと続ける方が良いかというと、続けたほうが良いと思います。人間のからだは少しずつ衰えていきます。年老いていきます。これを少しでも遅らせて元気にいるには、食事でとりきれない部分を漢方薬で補うのはとても良い事と思われます。ただし、漫然と何年も前に合ったと言う薬を続けるのは問題があると思います。それは、体質は少しずつ変わると言う事を忘れているからです。体質が変われば必要な薬も変わります。また、細かく言えば、服が夏と冬で違うように「内服」する薬も変わるべきです。わかり切った事かもしれませんが、もちろん、薬さえ飲んでいれば不摂生をしても良いかというとそうではなく、摂生の次に漢方薬があることを申し添えます。お元気でお過ごしください。