乾燥の咳に負けない 沙参麦冬湯「肺胃陰傷」

百潤露(ひゃくじゅんろ) 中医学をいくら一生懸命勉強してもそれが実際の臨床に使用できなければ意味がありません。それぞれの先生が工夫して、日本にあるもので組み合わせて理想に近いものにして、利用しています。

 今回の沙参麦冬湯もその一つです。実際、日本にはありません。代用しているのが麦門冬湯です。「麦門冬湯」は乾燥の咳によく使われていますが、実は「胃熱」がもとで「肺の乾燥」から「肺胃の陰虚」になり咳嗽が生じる時使用します。

 秋季に燥邪が肺衛に侵入すると、咽・鼻・皮膚等で津液が乾燥する。温燥で発生する呼吸器感染症・急性気管支炎など肺の感染症はこれにあたります。

■「燥肺胃の陰分を傷り、或は熱し、或は咳する者は、沙参麦冬湯之を主る」(上焦篇第12条)
■「燥胃陰を傷るは五汁飲之を主る。玉竹麦門冬湯も亦之主る。」(中焦篇第100条)

 麦門冬湯は「金匱要略」が出典ですが津液の虚損が顕著であれば沙参・玉竹を加えると記述があります。

 我が家のある北関東は麦門冬湯で陰分を補えない方は多数います。この事情を知ってか沙参・玉竹・百会のサプリメントを製造してくれたメーカーがあります、百潤露というものですが、これを麦門冬湯に加えお客様に喜んでいただいています。

仁盛堂薬局 金子英雄先生